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【手技道コラムNo.178】疲れと浮腫みを良くしてくれる腎臓について

2017.9.18

こんにちは、手技道の多治見です。

先日は院長セミナーが開催され、ご聴講下さった皆様ありがとうございます。
題材は運動についてです。

運動というと、一般的にはどうしてもスポーツやフィジカルトレーニング(筋トレ)を思い浮かべると思います。
健康の条件の一つにも運動は入っており、当然行わないより行った方が健康になります。

ただし、いきなりスポーツの様な急激な動きを要するものをするのではなく、
まずは、ストレッチや軽い散歩、次いで筋肉トレーニングやランニングに移行するなど、
段階を経て身体を変えていくことが肝要です。

特に若い頃に全く運動をしていない方や、経験したことのない競技を突然行うと、
使われ慣れていない筋肉が故障してしまいます。

また、以前のコラムでも書きましたが、過度に疲れている方が、今の体に見合ってない体力をつけようと急激な運動や継続的に運動をすると、更に疲れて弱った体になってしまいます。

自分に合った運動量を知るためにも、まずは無理のないところから行ってみてください。

さて、そんな参加者の方の中に、目の隈が大変黒く出ている方が居られました。
よく睡眠不足で目に隈が出来るといいますが、これは腎臓に負担がかかっているとみられる症状です。

今回はその腎臓についてお話させていただきたいと思います。

〇腎臓があるのは「腰」

腎臓は左右に一つずつ、腰の両側、丁度お臍の高さあたりにあります。
この為、腰痛の中には、実は腎臓負担が強くなる場合や、腎臓が機能不全に陥って痛んでくると起きるものがあります。
腎臓性腰痛は、一般的な筋筋膜性の腰痛や、ヘルニアと比べ、内臓そのものを治す必要があるため、治療に時間がかかる場合があります。

〇腎臓の機能 ‐ろ過装置と恒常性‐

・ろ過機能

腎臓の一番の機能は、体の中を一定の状態に保つ(恒常性)、ろ過装置です。
人体は肺呼吸で酸素を取り入れ、これを心臓からきた静脈と合わせ、動脈血として栄養と酸素を全身にめぐらせます。

細胞に行った血液は細胞を活性させた後の老廃物を発生させますが、この血液が腎臓を経由し、老廃物を濾過することで、尿として体外に排泄します。

その為、血中の糖や脂肪などが増えて、血液が濃い状態になると、腎臓のろ過する穴が少しずつ壊れていってしまい、体内に不要物質がたまり、水分を外に出す機能も一緒に壊れて、全身かけ浮腫み(ムクみ)やすくなります。

・恒常性

病気等だけでなく、何か小説、TVなど物語の中でも、腎臓なら片方売っても大丈夫だから、売ってお金にする、ただし、片方なくなると塩気の強いものは食べられないといった場面が出てくるときがあります。

医療に携わっているものとしては、とんでもないと思う話ですが、これはもう一つの腎臓の機能として、体の状態を一定に保つ為に、塩分と水分のバランスをとる機能があります。
それは人間が水棲生物である魚類から進化したとされる発生学に由来します。

海水は塩分濃度が約3.5%と極めて濃い塩分を含みます。
塩分は浸透圧と言って、大量の水には拡散したり、逆に塩分が多い場合は水分を吸収したりする性質があります。

その為、最初、海の中では体内の水分を取られないように、鰓呼吸で塩(Na+)を体外に排出していました。
進化による生息域の変化により、まずは河川など、淡水に生息域を変え、次いで陸上に上がったことによって、周囲環境の塩分濃度が薄まり(0.05%)、今度は体内の塩分の方が淡水や吸気中の塩分より濃く(0.8%)なってしまい、周囲の水分を吸収しようとします。
そこで、体内に過剰に水分をためないために、余分な水分を集めて排出する機能として、腎臓が発達しました。
同時に、特に哺乳類まで進化してくると、尿と一緒に、塩分や他の必要な栄養素を外に出しすぎないよう尿細管が再吸収するよう膀胱とともに発達もしています。

・浸透圧によるエネルギー産生

この水分と塩分のバランスをとる機能(浸透圧)を使って、今度は体内の細胞内と細胞の外にある細胞外液の成分(塩やカリウムなど)を上手く移動させ、身体の中が元気な状態を維持しているのです。
通常は細胞外液の方がNa+(塩分)濃度が濃く、代わりに細胞内の方がK+(カリウム)濃度が高くあります。通常このNa+とK+はお互いに一定量のバランスを保っていますが、これを腎臓が水分を出す量(尿の濃さ)を変えることで、細胞外液のNa+の濃度が変わり、細胞内のK+と細胞膜を通して、濃度が入れ替わります。その入れ替わりの際、化学反応が起こり、ATPという人間が活動するためのエネルギーを生み出します。
この濃度が変わる働きをエネルギーの小さな単位である電子(+イオン)が原子間(塩分NaとカリウムK)で入れ替わるので、イオンチャンネルと呼びます。

逆を言えば、沢山動いたり、働いたり遊んだり、エネルギーを使うことをしようとすると、このイオンチャンネルによるエネルギーが必要となり、沢山イオン交換をするので、忙しく腎臓も働くことになります。
その為、極度に疲れている人や不眠症の方は、慢性的な腎臓機能低下に陥っていることがあります。

・ホルモンで腎機能をコントロール~寝不足はホルモンに悪い~

これら腎臓機能はホルモンでコントロールされ、その大本となるのが様々な生体機能を司る脳下垂体が行います。そのため、甲状腺異常などのホルモン器系疾患や、生活習慣が極めて悪いことでホルモンバランスが崩れると、腎機能が低下して身体が浮腫みやすくなります。
また、アルコールも直接的に腎機能を低下させます。
寝不足や過度の疲労でコントロールであるホルモンバランスを崩しすぎていると、いくら寝ても細胞活性が始まらないために、いつまでたっても疲労が抜けきらなくなってしまいます。

この時、以前書いた体が弱ると、男性はすぐに運動したがるが体力が上がるほどエネルギー産生が出来ないといった弊害も伴うことがあります。

〇対処

腎臓機能を回復させる方法は大きく分けて二つです。

・寝ること
・温めること

前述のように慢性疲労が極まってくると、電位交換やホルモンコントロールの関係上、腎機能は低下します。
これに対して一番なのは、全身の細胞を休ませ回復させることなので、まずはしっかりと寝ることです。

しかし、あまりに疲れすぎていると今度は回復させるためのエネルギーもないため、いくら寝ても疲れが抜けきりません。
このため、慢性で腎疲労のある方は細胞が不活性で熱を生み出せないため、低体温になっている方が多いです。

また、逆に若いころから元気すぎて5分でも時間があればスケジュールを入れ数十年過ごしているような一見元気な患者様も意外によくいらっしゃいます。こういう方は、疲れを忘れた感覚の麻痺とともに低体温や、極度の腎疲労や不眠症を伴っていることが往々にしてあります。

どちらも、治療には時間がかかりますが、身体を温めることと同時に適切に施術を併用することで回復が見込めます。

・温める方法

これらは、最近も何度かご案内したとおり、「腹巻」、「コンニャクシップ」、「腹巻」、「湿性ホットマット」、「バンブジェル」などの道具や、「ふくらはぎのセルフマッサージ(腎臓の経絡が足の内側にあります)」「足湯」などでも、回復を早める事が出来ますので、実践してみてください。

・なかなか治らない症状

静脈瘤や、むくみが取れない、目のクマや、涙袋がとれない、といった症状がある方は、ある程度は自分での対処を行ってみてください。
しかし、大変時間と労力を伴うのと自分でのケアは殆ど限界がありますので、これらの症状がある方は一度ぜひご来院ください。
何が原因か知ることがまず健康への第一歩になると思います。

担当:多治見誠